
ステッカーの入稿データの作り方
Illustratorを使用した入稿データ作成方法を解説します
最終更新日:2025年07月10日

「自分のイラストやデザインをステッカーにしたい!」そう思ったことはありませんか? オリジナルグッズ作りがより身近になりましたが、いざ作ろうと思っても、何から始めれば良いか迷ってしまう方もいるかもしれません。そこで今回は、Illustratorを使用したステッカーのデータ作成方法を解説します。
目次
はじめに|オリジナルステッカーを作ろう
ステッカーは、個人の趣味の世界から、サークル活動やチームの記念品、さらには個人ブランドのノベルティや販売グッズとしてなど、幅広い用途で活躍する魅力的なアイテムです。この記事では、オリジナルステッカー作成の具体的な流れを分かりやすくお伝えするため、プリントネットの「ラーメン同好会」ロゴステッカーを題材に、デザインデータの準備から入稿、そして完成までを順を追って解説します。
完成イメージの紹介
まず先に完成イメージを紹介します。今回作成するステッカーは、完成サイズが縦横50mmの正方形の台紙に、丸い形状で剥がせるような切り込み線が入っているステッカーを作成します。
※ハーフカット:シールやステッカーの台紙はカットせず、シール本体の部分のみをカットして剥がしやすくします
ラーメン同好会のロゴステッカーを作ります
実際にオリジナルステッカーを作る具体的なプロセスを、ステップを追って分かりやすくご紹介します。さっそく「ラーメン同好会」の活動を盛り上げるための、オリジナルロゴステッカーをデザインしていきましょう。趣味の活動やグループの記念品など、オリジナルのステッカーは様々なシーンで活躍します。ぜひ最後までお付き合いいただき、あなた自身のステッカー作りの参考にしてください。
【準備編1】ステッカー作成を始める前に必要なもの
オリジナルのステッカー作成に向けて、まずはデザインデータを作るための準備を始めましょう。デザインを作成するために、今回はAdobeのIllustratorを使用します。台紙にハーフカットがあるステッカーを作成する場合にはIllustratorが必要となります。四角いステッカーであれば画像などでも作成・入稿できますが、今回はハーフカットありの場合を解説します。
【準備編2】完成サイズをイメージする
ステッカーを作るには、まず、作成したいステッカーの「仕上がりサイズ」を決定します。ステッカー印刷では四角い形状で納品されます。その中にハーフカットされたシール本体が配置されています。ステッカー本体は仕上がりサイズから内側に5mm以上離しておく必要があります。実際に貼るステッカー本体のサイズと、台紙のサイズ(仕上がりサイズ)を事前に考えておきましょう。
今回は仕上がりサイズを縦横50mmの正方形。ステッカー本体を縦横40mmの正円で作成していきます。ロゴは事前に作成したデータを用意しています。イラスト画像や写真をリンクさせる作り方でも問題ありません。
今回作成するステッカーの仕様

【サイズ】25平方cm以内(今回は50mm×50mm)
【紙 質】ミラーコート紙
【色 数】片面4色カラー
【その他】送料1カ所込み、オンデマンド印刷
Illustratorでの作業を解説
ステッカーの完成サイズのイメージが固まったら、Illustratorを立ち上げて、実際にデータを作成していく作業を開始します。
STEP1 新規ドキュメントの作成
STEP2 ハーフカットを作成
今回は仕上がりサイズもステッカー本体のサイズも事前に決めているので、ハーフカットの作成から先に進めます。レイヤーを新規作成し、それぞれのレイヤー名を『ハーフカット』と『デザイン』と入力してください。ハーフカットのデータは『ハーフカットレイヤー』にデータを作成します。
ステッカーのハーフカットは仕上がり位置の内側5mmに収まるように作成します。今回の仕上がりサイズが縦横50mmなので、ハーフカットの最大サイズは縦横40mmです。
※線端を『線端なし』、角の形状を『マイター結合』、線の位置を『線を中央に揃える』のままにしておいてください。
もしペンツールなどで作成した場合、パスが閉じられていなかったり、途切れているような『オープンパス』になっていないか確認してください。また、複雑すぎる形状になっていたり、鋭角な部分があると角が潰れてしまったり、キレイに仕上がりませんのでご注意ください。STEP3 文字切れ・デザイン切れの位置を確認
次にデザインデータは『デザインレイヤー』に配置していきます。この時、切れてはいけないデザインや文字は、ハーフカットから1mm以上離して配置する必要があります。STEP2で作成したハーフカットのパスを選択して『オブジェクト』から『パス』『パスのオフセット』を順に選択し、オフセットの数値を『-1mm』と入力します。これでハーフカットパスより1mm小さいオブジェクトが作成できました。小さいパスは『デザインレイヤー』に配置しておいてください。
この小さなパスを選択し、『表示』から『ガイド』『ガイドの作成』を選択します。切れてはいけない文字やデザインはこの線より内側に配置してください。
STEP4 デザインの配置
次にデザインレイヤーにプリントネットのラーメン同好会ロゴを配置してみます。
ロゴは黒い円の中にマークと文字が配置されたデザインになっています。ステッカーの端まで黒い色を入れたいので、ロゴデザインの下に黒い背景を作成します。ステッカーの仕上がり位置まで色をつけたい場合は、塗り足しを作成します。この場合、アートボードの外側に1.5mmの塗り足しを作成してください。
今回は仕上がりサイズが50mmなので、53mmの背景を作成し、ロゴデザインの後ろに配置します。
黒が多めなので、少しわかりにくいかもしれません。わかりやすく色を変更してみました。一番外側の赤い線がハーフカットのライン。その内側にガイドとロゴデータの黒い丸です。
デザインができたらここで一度保存しておきます。その後、入稿データ用として文字データをアウトライン化したものを、別名保存してください。入稿する際は必ずアウトラインしたものを使用します。
STEP5 見本の作成
入稿用データが完成したら、最後に見本データを作成します。見本データはpdfでも画像(jpgやpng)でも問題ありません。
今回はpng画像で書き出してみます。
『ファイル』から『書き出し』『書き出し形式』を選択してください。ファイル名を『mihon』などわかりやすい名称に変更し、ファイル形式から『png』を選択して書き出します。
セルフチェック
デザインデータが完成したら、入稿する前に必ず「セルフチェック」を行いましょう。データに不備があると、印刷が進まず納期が遅れたりする可能性があります。スムーズな入稿のためにも、ここで挙げるポイントをしっかり確認しておきましょう。
ステッカー印刷で特に不備になりやすい代表的な項目は「サイズ違い」「塗り足し」「ハーフカット」「アウトライン忘れ」「見本の入稿忘れ」です。
完成したステッカーを紹介
完成した「プリントネットラーメン同好会」のオリジナルステッカーがこちらです。印刷物が届いたら、データ通りに仕上がっているか、まずは全体を確認してください。細かい文字やイラストの線も潰れることなく印刷されています。
ハーフカットも滑らかで、台紙からスムーズに剥がすことができました。
実際に身近なアイテムに貼ってみました。当初イメージしていたサイズ感もぴったりで、貼るだけでいつものアイテムがぐっと個性的な雰囲気に変わります。