
B3サイズの大きさは?
寸法・用途をデータ作成者向けに解説
最終更新日:2025年09月26日

B3サイズのポスター、皆さんはどのような場面で利用されていますか?
街で見かける告知ポスターから、お店のメニュー、展示会での案内など、B3は意外と目に触れる機会が多いのではないでしょうか。
この記事では、印刷データを作成される皆さまに向けて、B3サイズの寸法や用途について詳しく解説します。A3やB2など、他のサイズとの比較を通して、より具体的なイメージを持っていただけるかと思います。
また、印刷に適した解像度など、実務に役立つ情報も紹介。ぜひ、日々のデザイン業務にお役立てください。
目次
はじめに|B3サイズは電車の中吊り広告でよく見るサイズ
電車内で目を引く中吊り広告や、乗客が集中するドア横ポスターには、B3サイズがよく採用されているのをご存じでしょうか。乗客の目線の先に掲示され、高い視認性を持つB3サイズは、ポスターやチラシ制作で頻繁に利用される用紙規格です。
プリントネットではポスター印刷はもちろん、展示パネルや壁掛けカレンダーからB3サイズをご注文いただけます。
※価格は記事掲載・更新時のものです。最新の価格はHPでご確認ください。
B3サイズの寸法は「364mm×515mm」
B3サイズの正確な寸法は、長辺515mm、短辺364mmです。この寸法は、日本独自の紙の規格であるJIS(日本産業規格)が定めるB判に基づいています。B判の用紙は、国際規格であるA判と同様に、縦横比が1:√2(約1.414)となるように設計されており、デザイン物の拡大・縮小を容易にするメリットがあります。
B判規格の基準となるのはB0サイズで、その寸法は1030mm×1456mmです。このB0サイズを半分に折り続けることで、B1、B2、B3といった各サイズの用紙が生成されます。各サイズは以下のように導き出されます。
(1)B0を長辺に対し中央で1回折るとB1サイズ
(2)B0を長辺に対し中央で2回折るとB2サイズ
(3)B0を長辺に対し中央で3回折るとB3サイズ
これにより、B3サイズはB0サイズの1/8の面積を持つ用紙として明確に定義されており、ポスターや広告制作において広く活用されています。
B3サイズポスターについて
プリントネットでB3サイズのペラものをご注文いただく際には、ポスター印刷をご選択ください。『B3サイズの変形』も対応可能です。価格表のサイズ選択メニューに、ご希望のサイズを入力できる欄が設けられています。ご希望のサイズがどのサイズの変形で注文できるかわからない場合は、『オリジナル(変形)サイズの注文方法』を参考にしてください。
デザイナー必見!B3サイズに適した解像度とピクセル数
B3サイズの印刷物を作成する際、画像の品質を左右するのが「解像度」と「ピクセル数」です。これらは印刷物の仕上がりを決定づける重要な要素であり、不適切な設定は画像の粗さやぼやけにつながり、デザインの意図を損ねてしまう可能性があります。特にポスターなどの大判印刷では、細部まで鮮明に表現するためには適切な解像度を確保することが不可欠です。
商業印刷では、一般的に300dpiから350dpi(dots per inch)の画像解像度が推奨されています。解像度とは、1インチあたりに表現される点の数(ドット数)を示す数値で、この数値が高いほど細部の表現がより鮮明になります。解像度が低すぎると、印刷時に画像が粗く出力されたり、文字が読みにくくなったりする可能性があるため、注意が必要です。一方、必要以上に高い解像度を設定しても、データ容量が無駄に増えるだけで、印刷品質に大きな違いは生じないとされています。また、ポスターなどの遠目から見る印刷物では、解像度はもう少し低くても問題ありません。
B3サイズ(364mm×515mm)の印刷に必要なピクセル数を、代表的な解像度ごとに以下の表にまとめました。DTPソフトウェア(Illustrator、Photoshopなど)で新規ファイルを作成する際は、これらの数値を参考に、用途に適した解像度を設定しましょう。
以下に、B3サイズをきれいに印刷するために推奨される解像度と、それに必要なピクセル数をまとめます。用紙の端まで印刷するためには塗り足しを含めたサイズで作成する必要があります。
解像度 (dpi) | B3サイズ(px) | 塗り足しを含むB3サイズ(px) |
---|---|---|
カラー300dpi | 4299px x 6083px | 4370px x 6154px |
カラー350dpi | 5016px x 7096x | 5098px x 7179px |
グレースケール 600dpi |
8598px x 12165px | 8740px x 12307px |
モノクロ2階調 1200dpi |
17197px x 24331px | 17480px x 24614px |
変形サイズで印刷をお考えの方は『mm→px(ミリメートル→ピクセル)変換ツール』をご用意しておりますので、ご利用ください。
B3サイズはどんな場面で使われる?具体的な用途を紹介
B3サイズは、広告媒体や販促物として、私たちの身の回りで幅広く利用されています。このサイズは縦515mm、横364mmと、ほどよい大きさが特徴です。限られたスペースでも高い視認性を保ちつつ、伝えたい情報を十分に掲載できるため、特に商業用途で重宝される傾向があります。
例えば、交通機関の車内広告では、乗客の視線を集めやすく、通勤・通学中に自然と目に留まる情報源として効果を発揮します。また、家庭に配布される新聞の折込チラシとしても多く採用され、商品やサービスの告知に役立てられています。さらに、壁掛けカレンダーや小規模な店舗で掲示されるポスターなど、多様なシーンでその特性が活かされているのです。
以下では、B3サイズが具体的にどのような場面で活用されているのかを、表にまとめました。
B3サイズが活用される主な用途と特徴
用途 | 特徴・効果 |
---|---|
交通機関の車内広告 | 乗客の視線を集めやすく、自然に情報が目に留まる効果が高い |
新聞の折込チラシ | 家庭に直接配布され、商品やサービスの告知に有効 新聞に織り込む際には二つ折り加工が必要 |
壁掛けカレンダー | 日常的に使用されるため、長期的な情報掲示に適している |
店舗ポスター | 限られたスペースで高い視認性を保ち、情報を効果的に伝える |
電車内広告(中吊り・ドア横ポスター)
B3サイズは、電車内広告の代表格である「中吊りポスター」や「ドア横ポスター」で標準的に採用されるサイズです。この用紙は、車両内の限られたスペースにおいて、乗客の視界に自然に収まり、情報を効果的に伝えるのに十分な大きさを持ち合わせています。B3サイズは比較的大きい媒体でありながら、圧迫感を与えすぎない絶妙なサイズ感のため、車内空間に溶け込みやすい特徴があります。
中吊りポスターは、車両中央の天井部分から吊り下げられ、座っている乗客からも立っている乗客からも視界に入りやすく、高い注目度が期待できます。乗客が移動中に情報をじっくりと読む時間を確保できるため、広告内容の深い理解を促しやすい媒体です。一方、ドア横ポスターは乗降時に必ず目に入る位置に掲示されるため、短期的な訴求やブランド認知の向上に適しています。
B3サイズは多くの情報を盛り込みつつ、乗客に快適な視覚体験を提供する、電車内広告として非常に効果的なサイズです。B3サイズ2枚分をつなげたワイドタイプでの展開も可能です。
新聞の折込チラシ
B3サイズは、スーパー、ドラッグストア、不動産会社といった新聞折込チラシで頻繁に用いられています。新聞を購読している世帯へ直接届くため、地域に密着した効果的な情報伝達手段として活用されています。B3サイズは比較的大きな紙面を活かし、一度に多くの商品情報、セールスポイント、キャンペーン内容などを掲載できる点が大きなメリットです。
そのインパクトのある大きさは、数あるチラシの中でも埋もれにくく、消費者の目に留まりやすいという特徴があります。新聞折込チラシは、特に以下の読者層にリーチしやすい特性も持っています。
一般的に、B3サイズのチラシは二つ折り加工を施し、仕上がりB4サイズ(257mm×364mm)として新聞に折り込まれることが多く見られます。これにより、コンパクトにたたんで新聞に挟み込みやすくなるだけでなく、広げたときにはB3の大きな紙面として多くの情報を見せられるのも、利用される理由の一つです。
壁掛けカレンダーや小規模な店舗ポスター
B3サイズは、家庭用の壁掛けカレンダーとしても適したサイズです。写真やイラストを魅力的に見せつつ、日付の書き込みスペースを十分に確保できるバランスの良さが特徴で、市販品や企業のノベルティなどで採用されることがあります。コンパクトながらも、年間を通じて情報やデザインを視覚的に訴求できる点が魅力といえるでしょう。
また、カフェ、小売店、クリニックなどの店内で使用されるポスターとしても、B3サイズは最適な選択肢です。
限られたスペースでも圧迫感を与えることなく情報を掲示でき、新商品やセール情報、おすすめメニューの告知などに活用されます。店内の雰囲気と調和しながら、顧客の目に留まりやすい効果が期待できます。
さらに、B2サイズなどの大判ポスターと比較して印刷コストを抑えられるため、頻繁に情報を更新したい場合や、複数のデザインを手軽に試したい小規模店舗にとって、費用対効果の高い選択肢となります。柔軟な運用が可能になるため、販促戦略の幅が広がります。
他の主要な用紙サイズとの違いを比較
B3サイズは、ポスターや広告など幅広い用途で活用されています。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、他の主要な用紙サイズとの違いを正確に把握することも重要です。用途に応じた最適なサイズを選ぶことで、デザインの意図が明確に伝わり、効果的な成果につながります。
特にデザイン現場では、一回り大きいB2サイズと、よく混同されがちなA3サイズが比較検討される機会が多くあります。これらのサイズはそれぞれ寸法や用途が異なるため、目的に合わせて使い分ける必要があります。
主要な用紙サイズの比較を以下の表にまとめました。
サイズ | 大きさ | サイズ | 大きさ |
---|---|---|---|
A0 | 841mm × 1189mm | B0 | 1030mm × 1456mm |
A1 | 594mm × 841mm | B1 | 728mm × 1030mm |
A2 | 420mm × 594mm | B2 | 515mm × 728mm |
A3 | 297mm × 420mm | B3 | 364mm × 515mm |
A4 | 210mm × 297mm | B4 | 257mm × 364mm |
A5 | 148mm × 210mm | B5 | 182mm × 257mm |
A6 | 105mm × 148mm | B6 | 128mm × 182mm |
A7 | 74mm × 105mm | B7 | 91mm × 128mm |
(A8) | (52mm × 74mm) | B8 | 64mm × 91mm |
一回り大きい「B2サイズ」との比較
B3サイズ(364mm × 515mm)よりも大きい「B2サイズ」の寸法は515mm × 728mmで、B3サイズのちょうど2倍の面積を持ちます。この面積の差が、視覚的なインパクトに大きな違いをもたらす特徴があります。B2サイズはB3の倍の大きさであるため、より広い空間や遠くからの視認性に優れています。
予算、掲示場所に関する制限、目的に応じて最適なサイズを選ぶことが重要です。圧倒的な存在感で多くの人にメッセージを届けたい場合はB2サイズが、限定された空間で情報を伝えたい場合はB3サイズが適しているでしょう。
混同される「A3サイズ」との比較
B3サイズとA3サイズは、それぞれ異なる寸法です。しかし、遠目から見てどちらのサイズかを即座に判断できるのは、普段からそれらの用紙の大きさを意識しているデザイナーか印刷会社のスタッフでしょう。
B3サイズはA3サイズに比べて縦横ともに大きく、より高い視認性が期待できる点が特徴です。B判とA判は異なる規格に基づいており、同じ数字のA判用紙と比較すると、B判の用紙は約1.5倍の面積を持つという規格上のルールがあります。
B3サイズは、電車内の広告や新聞の折込チラシなど、広い範囲で多くの人の目に触れることを目的とした媒体に適しています。一方、A3サイズは、オフィスでのプレゼン資料やレストランのメニュー、あるいは選挙ポスターなどに利用されることが多く、手元でじっくり読ませたり、特定の場所で情報を提示したりする際に活用されます。どちらのサイズを選ぶべきか迷った際は、掲示したいスペースの大きさ、伝えたい情報量、そして与えたいインパクトの強さを考慮します。
B3サイズの特徴を理解して効果的なデザインに活かそう
B3サイズは、「視認性を確保しつつも、大きすぎない」という独自の強みを持つ用紙規格です。広すぎないスペースでも高い視認性を保ち、伝えたい情報を効果的に表現できる点が大きな魅力です。例えば、遠くからでも目を引く必要のある交通広告では、大きなフォントやシンプルなレイアウトでメッセージを強調することで、高い訴求効果を発揮します。キャンペーンやセールの告知においても、多くの情報を載せながらインパクトを与えられるため、費用対効果の高い販促ツールとして重宝されるでしょう。また、B2サイズなどの大判ポスターと比較して制作コストを抑えやすい傾向にある点も、小規模なキャンペーンや頻繁な情報更新が必要な場合に利用しやすいメリットと言えます。
これらの特徴を踏まえ、ポスターやチラシなどの販促物を制作する際は、目的に応じてB3サイズを適切に選択し、その特性を最大限に活かしたデザインを心がけることが重要です。
プリントネットの商品一覧はこちら